正社員になれない時代がキャバクラ嬢を増やす

しかし、Z世代が浮ついた職業希望ばかり持っているのかというとそうではない。彼らは「化粧品販売部員」「居酒屋、レストランの店員、店長」「ファーストフード店の店員」 「スーパーやコンビニの店員」「ペットトリマー」「家政婦、ホテルのメイド」などの地道な職業を希望する者がY世代より多いのだ。 つまり、一方では成功すれば脚光を浴びる芸能系の職業を希望しながら、他方では、多くは非正規雇用のような販売、店員の仕事も希望しているのである。 しかし、ここがちょっと旧世代にはにわかに理解しがたいところだが、OL、公務員といった安定した職業はあまり希望されていない。 それは、そうした正社員になろうという意欲が低下したということかもしれないが、そもそもそうした職業に就くのが難しい時代になったことをZ世代が良く知ってしまったからではないだろうか。 彼らはバブル崩壊後に育ち、親や兄弟がリストラされたり、就職できなかったことを見て来ている。だから、Z世代の多くは現実的には自分は地元のどこかの店で非正規雇用の店員になるだろうと予測している。 だからこそ、それとは対極的にある華やかな職業や、自分の好きな事をして稼げる仕事、不安定だが一発当たればもうかる職業を希望する傾向が強くなるのである。 しかし、女優、モデル、歌手、ミュージシャン、あるいは芸能人になるには相応の才能と努力が必要である。 となると、最終的には、ある程度の容姿と社交性があれば、未経験でも比較的容易に高所得が得られる仕事としてキャバクラ嬢が浮上してくるのである。 「私って正社員ですか?」と聞く子もいる また、こうした若い女子たちが、正社員や非正社員といった区別を知らない可能性もある。 有名四大制の学生なら正社員になるのは当たり前だが、あまり偏差値の高くない高校の卒業者はまわりはほとんど非正社員だ。母親もパートであろう。 自分の周りに正社員の女性がいないのだ。だから正社員と非正社員のどこが違うのか分からなくても不思議ではない。 先日、東京都内のあるガールズバーに取材にいった。4人いた「ガールズ」の1人は大学生、1人は専門学生、1人はフリーターで、もう1人が昼間事務職をしていた。 その事務職の子が会社に「私って正社員ですか?」と聞いたら「違うよ」と言われたと話していたので、笑ってしまった。 その子の勤め先は親戚のおじさんの会社だということなので、まぁ、笑い話ですむのだが、そうでないとしたら、こうした若い女性をいくらでも不当に使い捨て労働者として雇おうとする企業はあるだろうなと実感した。 そして、どうせ使い捨てられるのなら時給の高いキャバクラ嬢のほうがいいと思う女子もいるかもしれないと思ったのである。

キャバクラ嬢の未来は